野木和公園~瀬戸子(その1)
軌道跡が行き止まりとなったので、A地点の東側からA地点に接近する。前方の一段高くなっている部分が軌道跡である。
さらに前方に進むと、突然森が途切れ、その先には周囲より一段高い水平な面が続いている。
上に登ってみると、台形型に盛土されている。高さは3mくらいであろうか。明らかに森林鉄道の築堤である。
築堤は数箇所に通路や用水路のために、開削されている。そしてそこには、木橋の一部とみられる木の構造物が残されていた。
築堤は、東側の道路とやや離れて北へ向かっていくが、地図B地点で道路と接する形となりD地点へ進む。
地図D地点で築堤は途切れる。そして前方には道路面より一段低く水田が広がっている。
地図を見ると、このあたりは土地改良事業が行われているようであり、その際に、森林鉄道跡が失われているようである。
前方の青い屋根の倉庫の左にある道路を見ると、ほぼこちら側の築堤の高さと同じくらいである。地図で見ても、築堤の延長線上にあることから、黄線のような軌道跡が推定される。
上の地図上では、旧軌道が現存している部分を赤線で、旧軌道と推定される部分を緑線で示している。これは、昔の5万分の1の地形図とも合致している。
まもなくすると道路は左へカーブする。
昔の地図を見ると、D地点から前方の森の先端部分(E地点)まで直線的に軌道が続いているのがわかる。このことからすると軌道は黄線のようになっていたと推定される。上の地図では緑線で示している。
こちらは地図E地点である。
道路が左側に不自然に膨らんでいる部分にお気づきであろうか。まさにここに軌道が繋がっていたという証拠ではないだろうか。軌道は黄線のようになっていたと推定される。
そして、E地点から先の道路は旧軌道を利用して作られたと考えられる。
野木和公園~瀬戸子(その2)
地図F地点で道は2方向に分かれる。舗装路は右へカーブし、直進する道は未舗装でまもなく行き止まりとなる。
この直進する道こそ軌道跡に違いない。 この道をまっすぐに延ばすと、G地点のあたりを通っているようである。
地図G地点へ移動する。写真左上の黄色い円の部分に、森林鉄道の痕跡と思われるものを発見した。
この部分を拡大したものがこれ。
道が左へカーブする部分の畦畔が周囲に比べて明らかに広く、その先端は水田の中に突き出している。これは先ほどのE地点でみた奇妙な道の張り出しとよく似ている。
また、ここからF地点方向を見ると、F地点をまっすぐに見通すことができる。
以上の点から、森林鉄道は写真右の矢印のようにと通っていたと推定される。
これは、瀬戸子(せとし)川に架かる橋(地図H地点)である。 この橋は橋の両側に道がない。つまり、道路橋ではないということである。
この橋の上からG地点方向を見ると、橋の延長線上(黄線で示した部分)にG地点があるのがわかる。
また、反対方向をみると延長線上にI地点がある。G地点からこの橋を通ってI地点に向かう1本の線がそこにはある。
この橋はその構造からも森林鉄道に由来するものと思われ、ここを軌道が通っていたことは間違いないと考えられる。
ここは地図I地点である。先ほどの瀬戸子川に架かる橋から矢印のような形で、森林鉄道が通っていたと思われる。