新城支線

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25000分の1地形図「青森西部」(国土地理院地図閲覧システムより引用・加工)

新城支線は、『全国森林鉄道』によれば昭和3年に開設され、昭和44年に廃止されている。津軽森林鉄道の本線廃止後も2年ほど運行されていることになる。新城支線の全長は7.5kmであるが、まだ全線の調査を終えていない。今回はとりあえず調査が終わった部分について紹介する。
また、新城支線については、本線の「野木和公園付近の旧線の存在」でも一部紹介しているので、そちらも参照して欲しい。

Cimg0148 上の写真(A地点)は、津軽森林鉄道本線の「津軽線交点~野木和公園」でも紹介している写真である。直進しているのが津軽森林鉄道本線、左へ向かうのが新城支線である。

この写真は反対方向から撮影したもので、写真にマウスを移動してもらうと赤と黄の線が現れるが、赤線が新城支線、黄線が本線である。ここは線路が三角形 を形成するデルタ線となっている。ちょうど近くで農作業をしている人に聞いたところ、新城支線の列車はここで方向転換をしていたという。

Cimg0595 その人から聞いた話では、この新城支線の跡地を、近くを通る県道のバイパスとする計画があるのだという。事業主体の青森県東青地域県民局地域整備部の説 明会もすでに開かれているそうだ。新城支線の廃線跡は、今も林野庁が管理しているということで、用地買収が容易であるのだろう。この風景もあと数年もする と全く違ったものとなるかもしれない。

Cimg0596 この付近の軌道跡は農道として利用されているが、緩くカーブしているあたりに森林鉄道時代の面影をよく残している。

Cimg0597 軌道跡はB地点(写真上)の手前まで農道として利用されているが、B地点の辺りでは道路ではなくなっている。しかし、軌道跡は緑の帯となってはっきりと残っている。

Cimg0599  B地点で軌道跡は小さな川を渡る。ここには既に橋はないが、橋台が残っている。

Cimg0600 B地点で軌道跡は道路と合流し、しばらく道路とともに進んでいく。

Cimg0601 C地点で、道路から分かれて白い家の後ろを通っている緑の帯を発見した。かなり奥まで続いているようである。地図上では道路の記載はないが、幅からみて軌道跡の可能性が高い。ここを進んでみることにした。

Cimg0602 緑の帯は一定の幅を保ったまま続いている。自動車は通らないようだが、人は歩いているようだ。

Cimg0604 D地点の手前辺りには、木橋の一部と思われる木の構造物の残骸が残っていた。

Cimg0606 D地点で神社の脇に出た。舗装された道路と合流するが、軌道跡は左側の白い家の前を通る細い道のようだ。

Cimg0607 この細い道は住宅の前だけが舗装されていているが、すぐに未舗装の道に変わる。

Cimg0608 警察学校(E地点)の裏を通る軌道跡。この辺りでは、自動車の出入りがあるようだ。

Cimg0609 津軽森林鉄道の支線は、廃止後に林道に改築されているところが多いようなのだが、この辺りの新城支線跡は林道化されなかったようだ。

Cimg0610 警察学校は最近こちらに移転してきたのだが、その建築に際しても、軌道跡を破壊するようなことはなかったようだ。

Cimg0611 新城支線の軌道跡はカーブが結構多い。その代わり路面は非常にフラットである。これは地形に逆らわず、等高線上を通るように軌道が作られたからではないかと思われる。

Cimg0612 警察学校を過ぎると、軌道跡は天田内川によって作られた狭い平地と斜面の境目を、等高線をなぞるように進んでいく。途中、森の中を抜けるようなところもある。

Cimg0616 ここは、小さな切通しになっている。

Cimg0617Cimg0619 F地点で舗装道路と交差するが、軌道跡はまだまっすぐに続いている。

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25000分の1地形図「青森西部」(国土地理院地図閲覧システムより引用・加工)

Cimg0620 F地点で舗装道路と交差した後、なおも軌道跡は続いているが、道路としては使用されていない。そして、まもなくG地点で笹藪となってしまう。

Cimg0621 G地点から先に進めないので、一度F地点に戻りH地点に向かう。写真右上はH地点からG地点方向を写したもの。G地点から笹薮となって軌道跡が続いている。

Cimg0622 G地点から先は、新城支線廃止後に林道として整備されたようであり、現在も利用されているようだ。

Cimg0623 G地点から先も道路はとてもフラットで、天田内川に沿って斜面と平地の境目を進んでいく。

Cimg0624 その後も、軌道跡は林道となって続いていく。

写真のように、軌道跡は黄線のとおり山裾を等高線に沿うようにして続いている。(写真のうえにマウスをのせると軌道跡を示します。)

Cimg0626 軌道跡の右斜面の上には青森市とと五所川原市を最短で結ぶ県道青森五所川原線が通っている。ただし、舗装はされているものの道路の整備状況はあまり良くないので、あまりお勧めはしない。

Cimg0627 軌道跡はなおも続くが、I地点で広い場所が現れる。ブルドーザーのキャタピラの跡がある。作業場または木材置き場として、現在も利用されているようだ。この辺りには、植林された杉林が広がっている。

Cimg0628 I地点から先にも軌道跡はまだ続いている(写真左下)。しかし、道はかなり軟弱で、歩くのも困難な状況である。キャタピラ跡だけが続いていて、普通の自 動車は通行することはないのだろう。昔の地図で見ると、まだこの先に軌道は続いていたようだが、今回はここで調査を終えることとした。
今後、機会があればまた調査をしてみたいと思う。


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