六郎隧道
六郎隧道は、津軽森林鉄道中最長の隧道(と言っても2本しかないのだが)で、長さは454.5mである。しかし、現在は坑口が確認できないとされている。
上の写真は、昭和50年の六郎隧道付近の空中写真で、多数のヘアピンカーブを描いている白い線のが旧県道で、現役時代はここは中山峠と呼ばれていた。現在は入口がゲートで封鎖されており、通行することはできない。
この空中写真に私が書き込んだ赤線が津軽森林鉄道、黄線が現在の県道とやまなみトンネル、青線が六郎沢である。
こうして見ると、六郎隧道とやまなみトンネルは、ほぼ並行していることがわかる。
また、地図でみると、六郎隧道の今泉側(西側)坑口があったと考えられる辺りは、非常に狭い沢で、かつ大規模な崩落がみみられるようであり、坑口が現存することはまずなさそうである。
黄色の円内は、六郎隧道の蟹田側(東側)坑口があったと考えられる場所である。左に見えるのがやまなみトンネルの坑口である。ただ、この付近を探してみても、坑口に関係ありそうなものは見つけられない。
六郎隧道があったと思われる手前には、木の生えていない平場があり、これが森林鉄道の跡ではないかと思われる。左端を流れているのが六郎沢である。
この写真は、津軽森林鉄道の開通を記念して、明治24年に蟹田に招待された喜良市住民を六郎隧道で撮影したものであり、左端の黒い部分が蟹田側坑口ということらしい。
やまなみトンネルの今泉側坑口である。坑口の横にはポケットバークがあり、駐車場とトイレがある。このトイレの建物の後ろ辺りから、坑口へ続く沢へ入ることができる。
夏場は草が生い茂っているいるため、春の雪解けの時期に今泉側坑口を探してみることにした。
沢には砂防ダムがある。坑口はその上流であるが、斜面はかなり崩壊している。
沢の上流部。この辺りに坑口があったと思われるが、斜面が両側から崩壊しており、坑口は完全に埋没していると思われる。
やはり、六郎隧道の遺構は残っていないようである。