相の股沢~相の股隧道~小股支線鉄橋

相の股沢~相の股隧道~小股支線鉄橋

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25000分の1地形図「津軽小国」(国土地理院地図閲覧システムより引用・加工)

P1010001 これまで、バイクでの進入が不可能だったために調査をしてこなかった相の股沢。
今回は徒歩で相の股沢を突破して相の股隧道を目指し、さらに相の股隧道の今泉側の軌道跡も調査する計画だ。
調査の時期は、少しでも草木が少ないよう雪解け後の4月中旬とした。
地図のA地点、相の股橋から始まる笹藪が津軽森林鉄道の軌道跡だ。すぐに深い笹藪が始まる。

P1010004 最初の深い笹藪を突破すると少し見通しが良くなるが、軌道跡は笹藪に完全に覆われている。

P1010006 しばらく進むと笹藪が途切れた。築堤の跡がはっきりと分かる。

P1010008 そのまま進むと、また前方に笹藪が現れた。ここから先は笹との戦いとなって、写真を撮影する余裕など全くない。もっとも撮影する対象は笹しかないのだが・・・

P1010013 B地点、笹藪を掻き分けながら進んでいくと、突然笹藪が途切れて、目の前に木橋が現れた。
笹藪を突破するのが大変だが、進入開始からまだ500mも来ていない。意外に近い場所に橋があったのだ。
橋に足をのせてみると、ミシミシと音がする。ちょっと怖かったが橋を渡ってみた。

 

 

 

 

 

P1010009 相の股沢に降りて橋の全景を撮影。今回は沢歩きも考えて長靴を履いてきたのが正解だった。

P1010075 別の角度から撮影。
結論を先に言ってしまうが、津軽森林鉄道が相の股沢本流を渡るのはここ1か所だけ。
この後、津軽森林鉄道の軌道跡は、相の股沢に沿って続いているのだが、ひどい笹藪に覆われており、軌道跡を歩くのを諦めた。そして、幸いにも相の股沢の水深は10cm程度だったのでこの後は沢を歩いていくことにした。
P1010071 C地点、相の股沢に流れ込む支川に木橋の残骸が残っていた。両側の笹藪は軌道跡である。

P1010019 相の股林道と軌道跡の合流点。前方の笹藪が軌道跡、左の道が県道の旧道から下りてくる林道。

P1010022 作業小屋の脇から軌道跡に進入。前回の訪問時には笹藪だったところがきれいに刈り払われている。

P1010024 その先も前回はなかった道が造られていた。何も知らなければここが軌道跡と思ってしまいそうだ。この道はどうやら作業用に新たに造られたようで、実際の軌道跡は左側の沢の湿地帯だ。
この道が造られたおかげで、相の股隧道へのアクセスが非常に楽になった。

P1010034 そのまま進むと水芭蕉の花が咲いていた。当然ここは湿地帯である。相の股隧道へはこの水芭蕉の花が案内してくれる。

P1010044 D地点、相の股隧道に到着。前回はなかった「きけん立入禁止」と書かれた黄色いテープが張られていた。どうやら、相の股隧道を訪れる人が増えているようだ。
隧道内部は崩壊の危険もあるので奥深く入るのは止めておいた方がいいだろう。

P1010048 隧道の内部はこんな感じ。前回訪問時と比べて特に変化はないようだ。
それでは、今泉側の坑口へ移動。

P1010133 E地点、相の股隧道の今泉側坑口。雪解けの時期と重なったために、坑口付近の水量がかなり多くなっている。

P1010124 坑口からすぐ先は川のような状態になっている。津軽森林鉄道が現役だった頃も春先の雪解け時期はこんな感じだったのか・・・・

P1010117 軌道跡は完全に川と化している。軌道跡を歩くことはもはやできないので、斜面の上から撮影している。

P1010115 F地点、大川目沢に出た。右側の斜面が崩壊して軌道跡を塞いでいる。これが軌道跡を川にしている原因のようだ。ここがダムとなって軌道跡に水が溜まってしまっているようだ。
この後、軌道跡は大川目沢に沿って進んでいく。

P1010104 軌道跡の前方に見えるガードレールは県道鰺ヶ沢蟹田線。大平トンネルを出た県道は間もなく旧道と合流する。

P1010105 この辺りで、軌道跡は大川目沢からやや離れて進む。

P1010106 軌道跡、大川目沢、県道がほぼ平行に並ぶ。県道から軌道跡が見えているのだが、ここが軌道跡とはなかなか気付かない。

P1010108 G地点、県道と旧道の合流点の直前。軌道跡の右側に鉄橋が見えてきた。津軽森林鉄道の本線は直進だから、本線の鉄橋ではない。

P1010109 この鉄橋、県道からもよく見える。私もこの鉄橋については以前から知っていたのだが、どういう由来のあるものかは知らなかった。津軽森林鉄道本線の鉄橋としては、どう見ても時代が新しすぎるのだ。

P1010113 ところが、昨年開催された津軽森林鉄道写真展でその疑問は解決された。
写真展でこの鉄橋の写真が展示されており、そこには津軽森林鉄道の小股支線の鉄橋と書かれていた。


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